「岩月謙司」を振り返る2

前回の記事で、なぜか私は「岩月の本にどっぷりハマってしまった」と書きました。その結果わかったことは何か?というと、この人の書く本は

「読めば読むほど不幸になる本」

だということです。どっかの怪談かよ!って感じですが、本当です。身の回りで怪奇現象が!とか、家にドロボーが!という方向ではなく、メンタルの面で。この人の本って、読めば読むほど絶望する本なんですよ。読んでいて問題解決の糸口が見つかった!と、ホッとすることも無くは無い。のですが、ショッキングで絶望的な内容がその何倍もあるのです。+10の発見をした後に、−200の発見をしてしまったようなもの。だからハマっていたという表現はヘンですね。まーったく楽しくなかったのですから。蟻地獄に引きずり込まれるような、憂鬱な読書タイム。こんなに楽しくない読書タイムは小学生の頃、戦争犯罪の本を読みまくっていた時以来でした。

んじゃ、なんで読み続けてしまったのか?といいますと、作中のある一文の影響が大だったと、今なら言えます。どの本だったか忘れましたが、確か

「幸せな恋をするためには、自分の過去の傷を癒さなければいけない。そのままでは間違った相手を選んでしまい、結果として不幸になる」

のような文でした(うろ覚え)。これがとにかく衝撃でして、衝撃のあまり直後に虚脱してしまい、その状態でまんま無批判に受け入れてしまいました。当然ですが、誰だって不幸にはなりたくない。じゃあ幸せになるには?どうしたら?→そうだ、過去の傷を癒そう!→その方法をこれらの本から汲み取るのだ!何としても見つけなくては!との流れでもって、強迫観念に駆られて読んでいましたね。もう目を皿のようにして。父がだめ男だった訳ではなく、だめ恋愛をしたこともなかったのに心の傷があるのか?と、不思議に思います。しかし約20年女やっていると、それ故に遭遇した嫌なことがそれなりにあるわけで。もしや、そのことなのか?と思ってしまったのです。

また

私を信じなくても良いが、絶対幸せにはなれない」

という文もありまして。今だったら、「これって脅し?そもそもアンタ何様?」と突っぱねられるのですけど、当時は「た、大変だー!なんとかしなくては! 」と逆に危機感を覚えてしまい、ますます切羽詰まって焦燥感に追い立てられて読んでいました。

投稿者: 管理人富永

関東在住。気がついたらアラフォー。女性。

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