嬉しくなかったプレゼント

皆さんは、嬉しくないプレゼント、もらったことがありますか?私はあります。

あれは小6進級時のことでした。両親が満面の笑みで「進級おめでとう!プレゼントだよ!」と渡してきた、それは「マンガ 日本の歴史 全22巻セット」。ですがはっきり言って

まーったく嬉しくなかった

「今更なんだよ、遅いよ」とすら思いましたね。口にも出しました。とにかく不愉快で、ずーっとブーたれていました。なぜか?

すでに学校の図書室で読み終えてしまったから。2年弱かけて。

続巻がないことに苛つきつつ、図書室内で探したり返却を待ったりして、2年弱かけてようやっと読み終わった。そのことに一種の達成感すら覚えていた。そこに「プレゼントだよ★」といきなり全巻を投げてよこされた訳で、それまでの自分の努力を全否定された気がしてしまったのです。「あの2年弱の苦労はなんだったんだろう、と。どうせなら世界史や中国史が欲しかった、というのが本音でした。

そして不快感に輪をかけたのが絵柄。「マンガ 日本の歴史」は当時絵柄が2種類あったのですが、よりにもよって私の苦手な絵柄の方だったのです。偶然とはいえ、これはないだろう…両親は知らなかったとはいえなぜわざわざ….ほんのり絶望してました。

せっかく両親がくれたんだから、と付き合い&義理でざっと目を通したのですが、やっぱり面白くない。ストーリーは知ってる上、新たな発見がある訳でもなく。おまけに絵柄は苦手だし。にも関わらずこのセットは、それから10年弱、我が家に鎮座していました。読むものが何もない時にパラパラめくってみる、という存在でしたが、はっきり言って時間の無駄だったな、と今となっては思います。目を通した後は、とっとと古本屋に売るべきでした。なぜ売らなかったか?というと、当時の私にとって古本屋は馴染みのない存在でしたし、「両親からのプレゼント」ということが引っかかって処分ができませんでした。

そしてその後、色々なマンガを読み込んでいくうちに、「マンガ 日本の歴史」の漫画表現そのものにも違和感を覚えるようになりました。マンガ、という形を活かしきれてないんじゃないか?と。

一例を挙げるなら、尾崎咢堂の桂内閣弾劾演説の描写です。「マンガ 日本の歴史」では、争っている二人を遠くから描いている、カメラでいうならかなり引いて写している状況で、実に迫力に欠ける描写。言論の力でもって内閣が倒れた、記念すべき出来事なのだから、もっとドラマチックに描くべきでは?

例えば、金田一少年的に描いてみる、とか。カメラを尾崎目線にして、尾崎が「あなただ!」と桂首相を指差すシーン、ズームにした桂首相の周りにベタフラッシュ。首相の顔にはタテ線を引いて顔面蒼白ぶりを表現。のようにしてみたら、もっと迫力が出るのでは?(なぜか私の脳内では、池田理代子的な絵柄で展開されました)どなたか描いてくれませんかね?結構いい感じになると思うのですが。

投稿者: 管理人富永

関東在住。気がついたらアラフォー。女性。

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