活版印刷の第一印象

グーテンベルクの活版印刷のことを知ったのは、小学5・6年くらいの時でした。図書室で読んだ「マンガ 世界の歴史」みたいな本で。そしてその第一印象は、

そんなに便利なものなのか?

でした。「すっごーい!!」と素直に褒め倒す気分ではなかったことを、覚えています。

確かに、画期的です。いちいち人が書き写さなくてもよくなったのですから。そのため本の値段が下がり、大衆に知識が、聖書が行き渡った。そしてそれが、ルターの宗教改革を生んだ。歴史を大きく動かす原点になった、のはわかるのですが、そこまで褒め倒すほどのことなのかと。

そもそも面倒でしょう。

ひらがな・カタカナだけで100文字もある!

漢字を部首ごとに分けて作ったら、さらに数が増えちゃう!

そう、私は日本語で考えてしまっていたのですヨーロッパはアルファベット表記なので、26文字のセットがいくつかと、よく使う文字だけ追加で作ればそれで事足りる訳で。確かに調べてみると、活版印刷自体はグーテンベルクよりかなり前に中国で行われているのですが、大量の漢字の活字を作るのが大変だったため、あまり広がらなかったらしく。(これは日本も同様)素晴らしい技術があっても言語構造がその普及を阻むこともある、ということでしょうか。そして不思議なのは、活版印刷とは縁遠かった中国・日本の方が、出版点数では常にヨーロッパを上回っていた、ということです。技術があったから、本が増えた!というほど単純な状況でもないようです。

蛇足:活版印刷と宗教改革のコラボにより、聖書の中身が人々に広まったのはとても良いことです。が、一緒にユダヤ人差別まで広がってしまった。禍福は糾える縄の如し、と言いますが、禍が予想より深刻でした。

投稿者: 管理人富永

関東在住。気がついたらアラフォー。女性。

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