昔話の「姉妹」考

私、幼い頃から絵本などで、たくさんの昔話や童話を読んできました。

しかしそれらの中で、どうしても好きになれない、というか嫌いな設定がありました。

それは、「ブサイク・ワガママ・怠け者の姉」と「美人・気立てよし・働き者の妹」、という設定です。

実は私も二人姉妹の姉、なのです。で、この設定を何回も何回も見ていると、

「姉とはこのような生き物なのだ」

「お前もいずれこうなるんだ」

「これがお前の本性だ」

と、圧倒的・絶対的な誰かから決めつけられ、そのような「姉」になることを押し付けられている気がしました。「私はこんな人間じゃない!」と反論したかったのですが、誰に言えばいいのかも分からない。その上、そもそも「姉妹仲良く」という昔話は少ないため、反例が見当たらない。シンデレラも「意地悪な姉」でしたね。義理ですが。

まあ、当時から多少わかってはいました。

昔は儒教的価値観が強く、「長幼の序」が絶対。要は年上アゲ・年下サゲだった訳で。そんな状況で妹をダメ人間として書いたら救いがないため、姉をダメ人間として書くしかなかったんですよね。

わかってはいたけれど、不快な設定でした。せめて「仲良し姉妹で美人・気立てよし・働き者」という設定の話がもう少し増えればいいのですが。それでは話としておもしろくならないんだろうな、と予想してしまいます。悩ましいものです。

投稿者: 管理人富永

関東在住。気がついたらアラフォー。女性。

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