韓国時代劇考

2003年放送のドラマ「冬のソナタ」以後、沢山の韓国ドラマが日本に流入しました。うちの両親がよく見ていたのは後半の時代劇の方ですけれど。宮廷女官チャングムの誓い、チェオクの剣、イ・サンetc…。当時の我が家では毎週土曜日の午後11時以降、韓国時代劇鑑賞タイムになっていました。

私は、新聞を読みながら横目でチラ見していたのですが、どうにも好きになれませんでした。理由は別に韓国蔑視でもなく、「盛りすぎ」のストーリーが嫌だったわけでもなく。

言葉遣いが子供っぽく、どこかふざけているようで気持ち悪かった

からです。臣下が国王に呼びかける際「王様」と呼ぶのがもうね、違和感モリモリ。「王様」「王様」ってグリム童話じゃないんだから。バカにしてんのか?とすら思えてしまって。とにかく「陛下」「国王陛下」とは絶対に呼ばないのが謎すぎました。しかもその詳しい解説が目につく範囲に見当たらない。これが華夷秩序や冊封体制に起因することはなんとなく予想してましたけれど。ハッキリしないのがこれまた気持ち悪いものでした。

憲政史研究家の倉山満氏によると、正しく翻訳すると

「国王殿下」

となるそうです。中華帝国の皇太子殿下と同じ格付けである、と当人たちが認めているからこうなっている、と。(参考文献:嘘だらけの日韓近現代史 扶桑社新書 2013年)「国王殿下」と正しく訳したら、(親切な)視聴者から「間違ってますよ」と指摘されてしまうからこういう訳になってるんでしょうけど、なぜ説明がないのでしょうか。不親切ですし、何より違和感のせいでストーリーに集中できません。

なぜ韓国時代劇を見るのか?両親に聞いたところ「次にどうなるかわからないところが面白いから」という回答が返ってきました。日本の時代劇だと、「もう何度目だよ、関ヶ原」となってしまってドキドキ感がないから、だそうで。「次にどうなるんだ?」で、ドキドキしたいなら異世界ファンタジーでも良い気がしますがね。前掲著によると「韓国時代劇はファンタジー」らしいので、ある意味正解やもしれませぬ。

蛇足:母はあまりに一気に韓国時代劇を見すぎたせいか、脳内で「宮廷女官チャングムの誓い」と「チェオクの剣」が混ざってしまい、「チャオクの剣」なんつってました。料理を極めつつ、剣の腕を磨く…ってどんなヒロインなんだか。

サムスン考

韓国を代表するハイテク企業、サムスン(Samsung)。韓国のGDPの10%を稼ぎ出すという巨大財閥、サムスン。ニュースでその名を聞かない日はありません。幸か不幸か、最近は特に。

さて、私がサムスンの名を聞いたのは21世紀になってから、2004年か5年くらいだったでしょうか。日本サムスンの設立が1998年なので、数年をかけて知名度アップを果たした後の時期にあたります。

実は私、最初の頃

サムスンはイギリスの会社だと思っていました。

なんでそんな誤解が起きたか?というと、単純な聞き間違い。

「サムソン」と聞こえたんです

ざっくり書くとこういう流れ。

「サムソン」はキリスト教用語(これは知ってた)

キリスト教と言ったらヨーロッパ

ヨーロッパと言ったらイギリス(なぜか)

「サムソン」はイギリスの会社!

以上の連想ゲームが脳内展開されていました。

で、サムソンはイギリスの会社!と勘違いして数年が経過。ある日、正しくは「サムスン」という名の韓国の会社であり、漢字表記は「三星」だと知ったわけです。知ったからと言って、別に何も変わらないのですが。「最近は韓国も頑張ってるんだなあ」と思ったくらいです。しかし、「最初から、漢字表記を前面に出してくれ」とは思いましたね。そうすれば、なんとなくアジア系?くらいはわかるのに。人間は聞きなれない音を、聞き覚えのある音寄りに認識する傾向があるんだから、間違えてしまうよ。

蛇足:サムスン会長のイ・ゴンヒ氏は2015年に倒れて以来、未だ入院中だそうで(2019年9月時点)。ということは、主な介護は家族ではなく看護師やヘルパーがやっているってことですよね。お金持ちは介護問題に悩まされなくていいな〜、と庶民としては羨望の眼差しを向けてしまいます。