クソトメ銀英伝

のっけからすごいタイトルで始まりました今回は、田中芳樹の名作小説「銀河英雄伝説」の話です。ラインハルトとヤン、二人の英雄を軸に壮大なストーリーが展開されるスペースオペラ。ですがこの二人の話は、他のサイト様やブログ主様にお任せして、今回私が取り上げるのはヤンの被保護者であるユリアン少年のことです。

ユリアン少年は、孤児を軍人の家庭で養育する、いわゆる「トラバース法」によってヤン家にやってきます。物語の最初にこの記述を読んだとき、この子には養育に適した親族がいないから、それこそ本当に孤児だから、だと思いました。

しかし、数年後図書館にて「銀河英雄伝説ハンドブック」の人名辞典を読んでいてびっくり。

ユリアン、祖母生きてるよ。

なんで引き取らなかったんだろう?と、疑問に思う間も無く、続く説明を読んで二度びっくり。

「長征一万光年」以来の名家であるミンツ家を誇りとする。息子と帝国から亡命してきた平民の子孫の娘との結婚を生涯許さず、孫であるユリアンを「息子を奪った女の子供」とみなして、その幼少期の写真を全て処分する。

銀河英雄伝説ハンドブック 徳間デュアル文庫より ミンツ(祖母)の説明

なんじゃ、このトンデモバアさんは!?

息子を奪ったって…あーた。母と息子はそもそも結婚できないんですけど?孫の4分の1は自分なのに、なぜそのセリフになる?こんな無茶苦茶な人、ホントにいるの?と、しばらくア然としてました。

ですがそのまた数年後に「こんな無茶苦茶な人、ホントにいる」ことを改めて理解することとなりました。きっかけは、匿名掲示板のまとめサイトにハマって読みまくったこと(笑)。そこには孫差別やら嫁いびりやらの、トンデモ姑のエピソードが大集合。えぇ、ありましたよ。「息子を奪った」と言って嫁を憎悪する姑の話。全部が事実ではないにせよ、そんな姑は一定数実在するようです。

作者の田中芳樹は、こんな人物を実際に知ってて書いたんでしょうか。まるっきりの想像で書いたのなら、小説家の想像力はすごいな〜とつくづく思います。(作者は当時30代前半)人類が宇宙に進出してウン100年経っても嫁いびりが無くならないのか、とげっそりしますが。また、民主主義の自由惑星同盟に家柄にこだわる人物を出したのは、作者なりの皮肉なのかな、と思いました。

将来、こんな嫁いびりババァにならないよう、くれぐれも気をつけたいものです。(何年後の話だよ)

投稿者: 管理人富永

関東在住。気がついたらアラフォー。女性。

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