口がきけない子の話 8 理由を考えてみた2

引き続き「なぜMさんは口がきけないのか?」を分析した記事です。もう一度前回の「理由」リストを載せておきます。

  1. 喉が痛くて話せない
  2. 耳が聞こえない
  3. 生まれつき声帯がない
  4. 言葉が理解できない(要は知的障害)
  5. (知的以外の)何かの障害
  6. 極度の恥ずかしがり屋・人見知り
  7. 幼稚園の頃、ひどいイジメに遭い言葉を失った
  8. 願掛けをしている
  9. 家の中でいつも邪険にされていた結果、話せなくなった
  10. 私が嫌い
  11. ぶりっ子している

上記のうち、7.までを前回分析した結果、5.以外は可能性が低いという結論が出ました。

さて8.です。「願掛けとは何ぞや?」って感じですが、以前書いた「童話に出てくる口がきけない人」から出た発想です。「童話に出てくる口がきけない人」って大抵、神様や妖精に願いごとをしていたり、何か契約をしていたりするんですよね。「●年間口をきかない代わりに、どうか私の願いを叶えてください !」の様に。だからMさんも何か願い事でもしているのだろうか、と思ったのです。「学校では絶対口をきかないので、私の願いを叶えてくださいみたいに。しかし、小学校高学年になってまで、そんなメルヘン頭だとはちょっと考えづらい。(例:サンタの存在を信じる6年生はほぼ0)これについては私、9割は否定的に見ていたのですが、たまに1割位は信じてしまう所があり、たまに「あんた、いい歳してどんだけメルヘンだよ!」と内心激怒していました。

次の9.は、私が一番可能性が高いと思っていた、いわば本丸です。以前の記事でも書きましたが、Mさんはひたすら放置されていた人です。なので、家庭内でも日常的に放置されているのだろう、と推測するのは自然なことでした。例えば、何か発言しても返事をしてもらえなかったり、テキトーにあしらわれたり。毎日毎日そんな扱いをされているうちに、萎縮して話せなくなってしまったのだろう、と。(精神的虐待か?)もう、Mさんの両親は本当にどうしようもない人達なんだな、と子供心に怒りつつ呆れていました。とは言っても、子供がよその大人相手にできる事など碌にないため、その感情はMさんに向けるしかありませんでした。こうしてますますMさんが嫌いになるのです。

10.を考えつくのは、ある意味当然でしょう。Mさんは私と口をきかない・目も合わせない→その位私の事が嫌いなんだろう、と。(その割に、先生ともクラスの皆とも口をきかない、先生に手を引かれるまま私の所へやってくるのは変ですが)なのに、いつも私の金魚の糞をやっているのか。一瞬疑問に思いましたが、解答はすぐに見つかりました。それはおそらく私を利用するため。Mさんは自分の成績が悪いのを誤魔化すために、成績の良い私にはりついているのだろう、直感しました。(グループ学習は連帯責任、グループの皆が同じ成績、なので)

全ての理由の中で一番腹が立ちましたね。嫌いだったら側に来るなきちんと「私、富永さんと同じグループ、嫌です」って自己主張しろって。

でも、面と向かって聞く勇気はありませんでしたorz。もし聞いてみて「うん、私も富永さんが嫌い★でも一緒にいると、あなたが私の分まで課題を仕上げてくれて、私の頭が悪いの誤魔化せるから、はりついて利用してるの☆」なんて笑顔で言われた日にゃ、立ち直れませんよ。聞いたらうだうだ悩まなくて済んだかもしれませんが。えぇ、私はチキンです(泣)。

「無視された」と思ったことはないですが、これは当時の私の頭には「無視」という概念がなかっただけで、実質同じことですかね。

最後の11.は、いつもモジモジしているMさんを見ていて自然と思いつきました。てっきりMさんは、

「内気で恥ずかしがり屋のカワイイ女の子」をフルパワーでアピールして、モテモテ街道を驀進してやるぜ!!

という計画を進行中なのかと。ちなみにMさん、はっきり言って全くモテない人でした。(モテ以前に友達がいない)まぁ、肌がボロボロで年中異臭を放っているのだから、当然っちゃ当然。モテたいんなら、ぶりっ子するよりも先に風呂に入ってこいよ、と私内心毒づいておりました。この可能性は否定できない、そこそこあり得る、と考えていました。

結果私は、「Mさんが口をきかない理由」は、基本5,9,10の混成かな?と総合的に判断しました。たまに、4,8,11 を強烈に信じてしまう、という感じです。

口がきけない子の話 7 理由を考えてみた1

なぜ、Mさんは口がきけないのか?

この疑問は、彼女とセットにされていた間、ずーっと頭の中で回っていました。そしてその理由を自分なりに、アレコレ考えていました。誰かに聞くことなんてできなかったし、調べようにもどこから調べたらいいのかわからなかったので、それ以外できなかったんですよね。それらを(以前の投稿と一部重複しますが)ざっと書き出してみました。

  1. 喉が痛くて話せない
  2. 耳が聞こえない
  3. 生まれつき声帯がない
  4. 言葉が理解できない(要は知的障害)
  5. (知的以外の)何かの障害
  6. 極度の恥ずかしがり屋・人見知り
  7. 幼稚園の頃、ひどいイジメに遭い言葉を失った
  8. 願掛けをしている
  9. 家の中でいつも邪険にされていた結果、話せなくなった
  10. 私が嫌い
  11. ぶりっ子している

まぁ、こんな感じです。こうして並べてみると、精神的なものから肉体的なものまで色々ですね。んで、1.、2.、6.に対しては小5の秋までに、「違うだろう」という結論が出ました。1ヶ月以上喉が痛くて話せないなんて、まずありえない。耳が聞こえないのなら4月の聴力検査で判明するはずです。そしていくら恥ずかしがり屋でも、半年以上話せないのは異常です。

では、その他は?と言いますと、まず3.を疑いました。「生まれつき体の一部が欠損した人が一定数いる」というのは知っていたので、可能性として無くは無いとは思ったのですが、絶対そうだ! とは言い切れない。「声帯の欠損」という実例は、聞いたことがなかったので。この可能性は低い、と考えました。

ついで4.です。が、さりげなくMさんを観察していると、どうも話の内容は理解している様なのです。なので違う。で、5.の「知的以外の何かの障害なのか?」となるのですが、一体何の障害なのか?見当すらつきませんでした。当時「障害」と言ったら「知的障害」・「身体障害」だけ。ですが、Mさんはどちらにも該当しません(多分)。(「発達障害」・「情緒障害」は概念すら無い)では、Mさんは普通の子、なのかというと、明らかに普通では無い。その状況でも、Mさんの親も先生も、Mさんがについて何も説明しないのです。まさかMさん本人に「あなたは障害児なの?」と聞くわけにもいかない(絶対先生に怒られますし、聞いたところで沈黙しか返ってこないのは、わかっていた)。可能性として5.はそこそこ高いかな?という結論が出ました。

7.の考えですが、「小1の時点で話せないという事は、その前に原因があったのだろう」との推測から出てきました。しかし、はたして「幼稚園児が言葉を失う程、酷いイジメをするのだろうか?」。当時の私には想像もつきませんでした。(もしかしたらあるかもしれませんが)もしそうだとしても、それから5年以上経過しているのに全く話せないというのは、少し変です。ので、この可能性は低いだろうと思いました。仮にイジメがあったとしてもその後のケアの問題、つまりMさんの両親や幼稚園の問題であり、私は関係ない訳で。なんで部外者の私が不利益を被っているんだ?理不尽だ!とは、うっすら思っていましたが。

予想より長くなってしまったので、次回に続きます。